ベンチャー投資の価値評価の基礎
近年、ベンチャー企業への投資が増えており、その投資業務や評価業務に携わる方も増えている一方で、ベンチャー企業の投資評価は、事業の不確実性が高く、また優先株を含むなど、資本構成が複雑であることが一般的であるため、通常の成熟企業の価値評価とは異なる手法が必要となります。本講義では、非上場のベンチャー企業の評価の考え方、実務の基礎をご理解いただけるよう解説します。
テーマ
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1. ベンチャー事業の隆盛と企業による投資の増加
- ・急成長を遂げたベンチャー企業とその概要
- ・国・地域別のベンチャー投資金額の推移
- ・グローバルのベンチャー投資におけるCVCが占める割合の推移
- ・成熟企業のバリュエーション手法と異なる理由
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2. ベンチャー企業の株式価値評価
- ・プレ・マネー・バリューとポスト・マネー・バリューについて
- ・ベンチャー企業の経営者から見たバリュー
- ・ベンチャーキャピタル(VC)から見たバリュー
- ・ベンチャー投資に要求されるリターン
- ・会計目的評価(IFRSの公正価値など)におけるバリュー
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3. 優先株の条件の価値への反映
- ・主な経済的権利とバリュエーション
- ・主な非経済的権利とバリュエーション
- ・優先株の条件の組み合わせ
- パターン1: 非参加型みなし清算条項付き優先株(転換権無し)
- パターン 2: 非参加型みなし清算条項付き優先株(転換権あり)
- パターン 3: 非参加型みなし清算条項付き優先株(転換権・累積配当あり)
- パターン 4: キャップ無し参加型みなし清算条項付き優先株(転換権あり)
- パターン 5: キャップあり参加型みなし清算条項付き優先株(転換権あり)
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4. 優先株等への価値のアロケーション
- ・優先株へ価値をアロケーションする評価手法
- ・OPMの計算例
- 標準学習時間
- 61分
- 受講期間
- お申込み日より12ヶ月間 ※クレジット払いは決済後すぐに、コンビニ払い及び請求書払いは着金確認後に視聴開始となります。
講師
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Senior Vice President 中村 達郎
事業会社の財務・経営企画部門、資産運用会社における株式アナリストを経て、2012年にデロイト トーマツ ファイナンシャルアドバイザリー合同会社に入社し、主にバリュエーション業務に従事。M&Aでの株式価値評価、買収後の無形資産評価(いわゆるPPA)、のれんの減損テスト、海外子会社再編に係る税務目的評価、資本構成が複雑なベンチャー企業の優先株評価等を実施。2019年~2021年5月までは英国デロイトに赴任し、主にベンチャーキャピタル向けのバリュエーション業務に従事。